Apple「故人アカウント管理連絡先」完全ガイド|死後、家族に iPhone・iCloud のデータを託す【2026年最新】
デジタル遺品

Apple「故人アカウント管理連絡先」完全ガイド

2026-09-08更新 2026-10-02読了目安 約8分

「iPhone のロックが解除できず、故人の写真を1枚も取り出せなかった」 「iCloud に何があったのか、家族には全く分からなかった」 「Face ID・Touch ID は本人が亡くなると使えない」

——これは、遺族が直面しやすい困りごとです。

でも、Apple が 2021年12月(iOS 15.2)から提供 している 「故人アカウント管理連絡先」を設定しておけば、 あなたが亡くなった後、指定した人が iCloud のデータに 正式な手続きでアクセス できます。

この記事では、設定手順・連絡先の指定方法・Google のアカウント無効化管理ツール との違い・注意点までを解説します。

そもそも Apple Account / iCloud に、何が入っている?

iPhone / iPad / Mac ユーザーの Apple Account には、膨大なデータが集約されています。

iCloud 写真すべての写真・動画(自動バックアップ)
iCloud Drive書類、スキャン、家計簿ファイル
メッセージ家族・友人とのメッセージ履歴
メモ・リマインダー日々の記録
ボイスメモ音声記録、家族の声
メールiCloud メール(@icloud.com)
連絡先・カレンダー友人関係、予定履歴
Safari ブックマークよく見ていたサイト
ヘルスケア歩数や体調の記録
通話履歴発着信の記録

これらは、Face ID・Touch ID・パスコードで守られているため、 本人が亡くなると家族は原則アクセスできません。

「故人アカウント管理連絡先」とは?

Apple 公式の、死後のデータアクセスを託す機能です。 報道などでは「デジタル遺産(Digital Legacy)」の機能として紹介されることもあります。

公式名称故人アカウント管理連絡先(英語では Legacy Contact)
提供元Apple 公式(無料)
対応 OSiOS 15.2 / iPadOS 15.2 / macOS Monterey 12.1 以降
提供開始2021年12月(iOS 15.2)
設定時間約5分(目安)

仕組み:4ステップで完結

  1. 生前に「故人アカウント管理連絡先」を指定(複数人を指定可能。報道では最大5人)
  2. 各連絡先にアクセスキーを共有(メッセージで送る、または控えをプリントして渡す)
  3. 本人死亡後、連絡先が Apple に申請:
    • アクセスキー
    • 死亡を証明する書類(日本では、死亡の記載がある戸籍謄本が必要になる場合あり)
  4. Apple の審査で承認されると、故人のデータにアクセス可能(最初の承認日から3年間)

何が引き渡される?/引き渡されない?

引き渡される

  • iCloud 写真
  • iCloud Drive に保存されたファイル
  • iCloud のメッセージ、メール
  • メモ、リマインダー、ボイスメモ
  • 連絡先、カレンダー、Safari のブックマークとリーディングリスト
  • 通話履歴、ヘルスケアデータ
  • iCloud バックアップの内容

引き渡されない

  • 購入したコンテンツ(映画、音楽、ブックなど)
  • サブスクリプション、アプリ内購入
  • Apple Account や Apple Pay の支払い情報
  • iCloud キーチェーンの情報(保存したパスワード、パスキーなど)

補足 iCloud に保存・バックアップされていないデータは対象になりません。

設定手順(iPhone・5分ほど)

ステップ1:設定アプリを開く

iPhone / iPad の 「設定」アプリ を起動 → 一番上の 自分の名前 をタップ。

ステップ2:「サインインとセキュリティ」を選択

「サインインとセキュリティ」→「故人アカウント管理連絡先」をタップします(iOS 15.2 以降)。 表示されない場合は iOS のバージョンをアップデート。

ステップ3:「故人アカウント管理連絡先を追加」をタップ

ファミリー共有のメンバーから選ぶか、「ほかの連絡先を選択」から相手を選びます。 相手が Apple Account や Apple 製デバイスを持っていなくても指定できます。

ステップ4:アクセスキーの共有方法を選ぶ

特徴
メッセージで送信相手が対応する Apple 製デバイスを使っている場合に便利
控えをプリント印刷して手渡し・保管、または PDF やスクリーンショットで共有。Apple 製デバイスを使っていない相手にも

おすすめ 両方使う(メッセージ + 印刷して物理保管)

ステップ5:確認・完了

故人アカウント管理連絡先のリストに追加されたら完了。 連絡先本人にも「あなたを指定した」と伝えましょう。

Mac から設定する場合

Apple メニュー → システム設定 → 自分の名前 → サインインとセキュリティ → 故人アカウント管理連絡先

以降の手順は iPhone とほぼ同じです。

連絡先の要件

  • Apple Account を 持っていなくてもOK
  • 13歳以上 であること(年齢は国や地域によって異なる)
  • 家族に限定されない(友人なども指定可)
  • 複数人を指定可能(報道では最大5人)

連絡先の選び方

優先度順:

  1. 配偶者 — 最も自然、iCloud ファミリー共有と重なりやすい
  2. 子ども(成人) — 長期保管、Apple 製品に慣れている世代
  3. 兄弟姉妹 — 配偶者・子どもがいない場合
  4. 信頼できる友人 — 家族と話しにくい場合の代替
  5. 弁護士・行政書士 — 完全な第三者を指定したい場合

死後のアクセス方法(連絡先が行う手順)

万が一の際、連絡先はこの手順でアクセスします。

  1. 自分の iPhone / iPad / Mac の設定、または https://digital-legacy.apple.com/ から申請
  2. アクセスキー を入力し、死亡を証明する書類(日本では戸籍謄本の場合あり)をアップロード
  3. Apple の審査を待つ(所要期間は公式には示されていません)
  4. 承認後、故人のデータにアクセス開始
  5. データのダウンロード・保管を 最初の承認日から3年以内に完了(期間後、アカウントは削除されます)

注意点:見落としがちな落とし穴

注意1 アクセスキーは物理的にも保管

デジタルだけだと、家族が発見できないリスクあり。控えを印刷して、契約書ファイルなどと一緒に保管 しておくと安心です。

注意2 死亡を証明する書類が必要

アクセスキーだけではアクセスできません。日本では、死亡の記載がある 戸籍謄本 が求められる場合があります。家族が申請できるよう、取得方法も一緒に伝えておくと親切です。

注意3 審査には時間がかかる

即時アクセスではありません。報道では、承認までに通常10営業日程度とされています。緊急性がある連絡(生活口座、契約解除など)は、Apple のデータ引き渡しを待たずに別ルートで対応する必要があります。

注意4 3年の期限あり

アクセスできるのは最初の承認日から3年間。期限内にデータをダウンロード・保管してもらう必要があります。連絡先には期限も伝えておきましょう。

注意5 購入コンテンツは引き継げない

購入した映画や音楽、ブックは引き継ぎの対象外です。大切な写真や書類は、生前から家族と共有しておく方法もあわせて考えておくと安心です。

Google と Apple、何が違う?

Google 記事にも載せた比較表を再掲します。

GoogleApple
発動条件一定期間アカウントが使われない(自動判定)死亡を証明する書類の提出(指定された連絡先が申請)
引き渡し先の数最大10人複数人(報道では最大5人)
データ範囲サービスごと個別選択可iCloud データ全般(一部除外あり)
自動性高い(判定→通知が自動)低い(連絡先が能動的に申請)
アクセス期間限られる(検証記事では約3か月)最初の承認日から3年間
アクセスキー不要必須(生前に共有)

結論:両方使うと安心(それぞれの機能特性を活かせる)

  • Google:日常データ(Gmail、Photos、Drive)
  • Apple:iPhone まわり全般(メッセージ、メモ、写真、iCloud バックアップ)

Lifulo からの視点:「アクセスキー」の存在をどう残すか

Apple の故人アカウント管理連絡先の 大きなポイント は、アクセスキーの保管と共有 です。

生前に設定していても、

  • 家族がアクセスキーの存在を知らない
  • 保管場所が分からない
  • 控えがどこにあるか分からない

これでは意味がありません。

Lifulo が届けたいのは:

  1. 既存機能の存在を知らせる(この記事のように)
  2. 設定方法を分かりやすく教える
  3. 「Apple を設定済み、アクセスキーは○○に保管」 を 家族に伝わる形で残す

知る → 設定する → 家族に伝える の3点セットで、初めて機能します。

紙のエンディングノートに書いても、家族が見つけられなければ意味がない—— だからこそ、デジタルで書き溜められる仕組み が役に立ちます。

まとめ

  • Apple「故人アカウント管理連絡先」は 2021年から始まった無料機能
  • まだあまり知られていないが、設定すれば家族の助けになる
  • 設定は 5分ほど、複数人にアクセスキーを共有できる
  • アクセスキーは控えを印刷して物理保管 すると確実
  • 申請には 死亡を証明する書類が必要(日本では戸籍謄本の場合あり)、審査には時間がかかる
  • 最初の承認日から3年以内にデータをダウンロードする必要あり
  • Google のアカウント無効化管理ツール と 両方使う のが理想

iPhone に眠るあなたの写真・メッセージ・メモ—— 「もしもの時」に家族が受け取れるよう、今週末の5分 で設定してみてください。

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