合祀墓(ごうしぼ)とは?費用・合葬墓との違い・注意点
「取り出せない」を理解して選ぶ
他の人の遺骨と一緒に埋葬する合祀墓は、費用を抑えられ、跡継ぎもいらない供養のかたちです。
2026年の調査では、購入されたお墓のうち合祀墓・合葬墓が16.4%と、一般墓や納骨堂を上回りました。
合葬墓との違い、費用、都立霊園の例、そして「一度納めると取り出せない」という大切な注意点と、本人が生前に決めておくことの意味をまとめました。
「子どもに、お墓の管理で苦労をかけたくない」 「跡を継ぐ人がいないので、自分の代でお墓のことを終わらせたい」
そんな思いから選ばれているのが 合祀墓(ごうしぼ) です。 他の人の遺骨と一緒に埋葬し、管理や供養は霊園やお寺に任せます。
2026年の全国調査では、購入されたお墓のうち 合祀墓・合葬墓が 16.4% で、 一般墓(15.2%)や納骨堂(15.5%)を上回りました。
費用を抑えられ、跡継ぎもいらない一方で、 一度納めると、遺骨を取り出すことはできません。 この記事では、合祀墓の特徴と費用、選ぶ前に知っておきたい注意点を整理します。
(お墓の選択肢を全体から見比べたい方は、先に 10 種類のお墓を徹底比較する記事 を読むと全体像をつかめます。)
1. 合祀墓とは
合祀(ごうし)とは、複数の人の遺骨をまとめて埋葬すること です。 合祀墓では、骨壺から遺骨を取り出し、他の人の遺骨と一緒に埋葬します。
似た言葉との違いは、次のとおりです。
| 合祀墓 | 骨壺から遺骨を出し、他の人の遺骨と一緒に埋葬する |
| 合葬墓 | 骨壺や骨袋に入れたまま、ひとつのお墓に埋葬する。他の人の遺骨とは混ざらない |
| 永代供養 | 霊園やお寺が、家族に代わって管理・供養をすること(埋葬の方法ではなく、管理のしかた) |
ただし、施設や調査によっては、合祀墓と合葬墓を区別せずに呼ぶこともあります。たとえば都立霊園の「合葬埋蔵施設」にも、納骨するとすぐに共同で埋蔵する(合祀にあたる)タイプがあります。
合祀墓は、永代供養とセットで提供されることがあります。 最初から合祀するタイプのほか、一定期間は個別に安置し、その後に合祀するタイプもあります。 個別に安置する期間や種類については、 永代供養墓の記事 で詳しく紹介しています。
2. 費用の目安
合祀墓の費用は、3 万〜30 万円 ほどが目安です(資料によっては 5 万円からとするものもあります)。 主な内訳は、永代供養料・納骨料・刻字料です。
2026年の調査では、一般墓の平均購入価格は 152.0 万円でした。 それと比べると、費用を大きく抑えられることがわかります。
公営の例:都立霊園の合葬埋蔵施設
自治体が運営する霊園にも、合祀・合葬のお墓があります。 東京都の都立霊園では、2026年度の募集で、合葬埋蔵施設の使用料は次のようになっていました。
| 遺骨 1 体あたりの使用料 | |
|---|---|
| はじめから共同で埋蔵する(直接共同埋蔵) | 53,000〜58,000 円 |
| 一定期間は個別に納め、その後に共同で埋蔵する | 61,000〜131,000 円 |
「一定期間」は、使用の許可を受けた日から 20 年間です。
都立霊園の場合、費用を抑えやすい一方で、募集期間が決まっていて(2026年度は 6 月 12 日〜7 月 3 日)、抽選で使用者が決まります。 また、「都内に 3 年以上継続して住んでいる」など、住んでいる地域や期間の条件があります。
3. 合祀墓のメリット
- 費用 一般的なお墓に比べて、費用を大きく抑えられる
- 跡継ぎ不要 管理や供養を霊園・お寺に任せられ、家族が管理する必要がない
- 無縁にならない お参りする人がいなくなっても、霊園やお寺が続く限り供養してもらえる
4. 選ぶ前に知っておきたい注意点
遺骨は取り出せない
いちばん大切な注意点です。 合祀すると、他の人の遺骨と混ざるため、後から特定の人の遺骨を取り出すことはできません。
「やっぱり家族のお墓に移したい」「分骨して手元に置きたい」と思っても、合祀したあとではできません。 手元にも残したい場合は、合祀する前に分骨しておく必要があります。 (手元供養については、手元供養の記事 も参考にしてください。)
故人だけのお参りの場所がない
合祀墓には、その人だけの墓石はありません。 お参りは、共同のお墓に対して行うことになります。 「お墓の前で、故人と向き合いたい」という家族には、物足りなく感じられることもあります。
家族・親族の理解を得ておく
取り出せないこと、個別のお墓がないことは、後から変えられません。 本人が望んでいても、家族や親族が納得していないと、わだかまりが残ることがあります。 選ぶ前に、家族と話しておくことが大切です。
今あるお墓から移すときは、手続きが必要
先祖代々のお墓をしまって(墓じまい)、遺骨を合祀墓に移す場合は、改葬 という手続きになります。 改葬には、遺骨が今ある場所の市区町村長の許可が必要です。
5. 合祀墓が向いているのは
- 跡を継ぐ人がいない、または子どもに管理の負担をかけたくない
- 費用をできるだけ抑えたい
- 「自然に還る」「みんなと一緒に眠る」ことに抵抗がない
- 家族も、そのかたちに納得している
6. Lifulo からの視点:本人が、生前に決めておける
合祀墓は、残された家族が選ぶこともあれば、本人が自分で選ぶこともできるお墓です。 たとえば都立霊園の合葬埋蔵施設では、本人が生前に申し込むこと もできます(居住期間などの条件があります)。
「自分のお墓のことで、子どもを悩ませたくない」。 そう考えるなら、元気なうちに自分で選び、その理由を家族に伝えておくことができます。
ただし、合祀は取り返しがつかないかたちです。 本人の希望がはっきりしていないまま家族が決めると、 「本当にこれでよかったのか」と、あとから迷うことにもなりかねません。
だからこそ、合祀墓を望むなら、 「合祀墓にしてほしい」という希望と、その理由 を書き残しておくと、家族は迷いにくくなります。 分骨して手元に少し残してほしいかどうかも、あわせて書いておくとよいでしょう。
Lifulo のアプリでは、「葬儀・お墓」のテーマに次のような書くヒントを用意しています。
- お墓の場所や種類の希望(樹木葬・納骨堂・散骨など)
- 供養についての具体的な希望
7. まとめ
- 合祀墓は、他の人の遺骨と一緒に埋葬するお墓。2026年の調査では購入されたお墓の 16.4% で、一般墓や納骨堂を上回った
- 費用は 3 万〜30 万円ほどが目安。都立霊園の合葬埋蔵施設では、遺骨 1 体あたり 5.3 万〜13.1 万円(2026年度の募集)
- 跡継ぎがいらず、費用を抑えられる一方で、一度納めると遺骨は取り出せない
- 手元にも残したいなら、合祀の前に分骨しておく
- 本人が望むなら、その希望と理由を書き残しておくと、家族が迷いにくくなる
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参考・データ出典
- 種類別の購入割合・一般墓の平均購入価格:鎌倉新書「【第17回】お墓の消費者全国実態調査(2026年)」
- 合祀の定義・合葬墓や永代供養との違い・費用の目安・メリットとデメリット:いいお墓(鎌倉新書)「合祀とは?合葬・永代供養の違いや費用、メリット・デメリットを解説」
- 合祀墓の費用を 5 万円からとする例:いいお墓(鎌倉新書)「永代供養の費用は?種類別の相場や内訳、支払方法、宗派による違い」
- 都立霊園の合葬埋蔵施設の使用料・個別保管の期間・居住要件・生前申込・抽選:東京都「令和8年度 都立霊園の使用者を募集」(2026年5月25日)
- 改葬に市区町村長の許可が必要(第 5 条):e-Gov 法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」