直葬(火葬式)とは?費用の内訳・流れ・後悔しないための注意点
葬儀バリエーション比較

直葬(火葬式)とは?費用の内訳・流れ・後悔しないための注意点

2026-10-27読了目安 約7分

「葬儀は、できるだけ簡素にしてほしい」 「家族に負担をかけたくない」

そう考える人が選択肢のひとつにするのが、直葬(ちょくそう) です。 通夜や告別式を行わず、火葬だけで故人を見送ります。「火葬式」とも呼ばれます。

2026年の全国調査では、喪主を経験した人のうち直葬・火葬式を選んだ人は 10.8%。 葬儀社への支払いの中央値は 約50万円 で、家族葬(約96万円)の半分ほどです。

費用や負担を抑えられる一方で、 「火葬場でのお別れの時間が短かった」と振り返る声や、菩提寺との調整が必要になるといった注意点もあります。 この記事では、直葬の費用の内訳と流れ、後悔しないために事前に確かめておきたいことを整理します。

(葬儀の選択肢を全体から見比べたい方は、先に 10種類の葬儀を徹底比較する記事 を読むと全体像をつかめます。)

1. 直葬とは

直葬は、通夜や告別式などの儀式を行わず、火葬のみ を行う葬儀のかたちです。 参列者は家族など数名で、火葬場で短いお別れをしてから火葬します。

ほかの葬儀のかたちと比べると、次のようになります(2026年の全国調査)。

行うこと選んだ人の割合葬儀社への支払い(中央値)
一般葬通夜 + 告別式 + 火葬30.2%約 122 万円
家族葬通夜 + 告別式 + 火葬(参列者を絞る)47.0%約 96 万円
一日葬告別式 + 火葬(通夜なし)11.9%約 74 万円
直葬・火葬式火葬のみ10.8%約 50 万円

注意 金額は葬儀社への支払い(基本料金・飲食費・返礼品費)の中央値です。お寺へのお布施は含まれていません。

2. 直葬の流れ

直葬は儀式を省きますが、亡くなってから火葬までに必要な手順はあります。

逝去・搬送病院などから、安置する場所へ遺体を搬送する
安置自宅や葬儀社の安置施設で、火葬の日まで安置する
納棺遺体を棺に納める
出棺・火葬火葬場へ移動し、炉の前で短いお別れをしてから火葬する
収骨火葬のあと、遺骨を骨壺に納める

亡くなってすぐには火葬できない

法律(墓地埋葬法)で、原則として 火葬は死亡後 24 時間を経過した後でなければ行えない と定められています。 そのため、直葬でも最低 1 日は、どこかに安置する必要があります。

2024年の全国調査では、亡くなってから火葬までの日数は「2日後」が最も多い(35.1%)一方で、 関東地方の冬(12〜2月)には、亡くなってから 8 日以上かかった人が 18.1% にのぼり、「火葬待ち」の傾向があると報告されています。 火葬まで日数がかかると、そのぶん安置料やドライアイス代が増えます。

お別れの時間は短い

直葬では、火葬場での故人とのお別れは 5〜10 分程度 とされています。 ゆっくりお別れをしたい場合は、安置している間や納棺のときに、 家族だけの時間をとっておくと、心残りが少なくなります。

3. 費用の内訳

直葬の費用は、主に次のような項目で構成されます(葬儀社による目安)。

遺体の搬送費1〜2 万円
遺体の安置費3 千〜2 万円
ドライアイス代5 千〜1 万円
棺・骨壺など5〜8 万円
火葬費5〜10 万円
運営費4 万円程度

安置やドライアイスは日数で増えるため、火葬までの日数によって総額が変わります。

火葬料は、公営か民営かで大きく違う

火葬料は、火葬場が公営か民営か、亡くなった方がその地域の住民かどうかで大きく変わります。 東京 23 区の例を見てみましょう。

大人の火葬料
臨海斎場(港・品川・目黒・大田・世田谷の 5 区が共同運営する公営斎場)/5 区の住民44,000 円
同/5 区以外の方88,000 円
東京博善(民営)の普通炉87,000 円

同じ東京 23 区でも、住民向けの公営斎場と民営斎場とでは、倍ほどの差があります。 住んでいる地域の公営火葬場の料金を、事前に調べておくと安心です。

4. 後悔しないための注意点

菩提寺がある場合は、事前に相談しておく

先祖代々のお墓がお寺にある場合、直葬にすると、 そのお寺のお墓への納骨を断られる ことがあります。 直葬では通夜や告別式での読経がなく、故人を弔う儀式を省くことに否定的な見方をするお寺もあるためです。

直葬を選ぶなら、次のような対応を、事前にお寺と相談しておくと安心です。

  • 直葬で見送ることを、前もって伝えておく
  • 直葬でも戒名をつけてもらう
  • 四十九日の法要をお寺にお願いする

親族の理解を得ておく

「通夜も告別式もしないのは、寂しい」と感じる親族もいます。 直葬で見送ることや、その理由を、事前に親族に伝えておくと、後のわだかまりを防ぎやすくなります。

葬儀のあとに弔問が続くこともある

直葬では、故人と縁のあった人がお別れをする場がありません。 後から訃報を知った人が、自宅に弔問に訪れることも考えられます。 訃報を伝える範囲や伝え方については、 家族葬|親族どこまで呼ぶ?の判断基準と訃報の書き方を完全ガイド も参考になります。

5. 直葬が向いているのは

  • 本人が「儀式はいらない」「簡素に送ってほしい」と望んでいた
  • 費用をできるだけ抑えたい
  • 高齢で参列できる人が少ない、または親族が遠方に住んでいる
  • 菩提寺がない、またはお寺と相談して了承を得られている

6. Lifulo からの視点:「なぜ直葬なのか」を残しておく

直葬は、本人の「家族に負担をかけたくない」という思いから選ばれることがあります。

けれど、本人の気持ちを知らないまま直葬で見送った家族は、 「本当にこれでよかったのか」「もっときちんと送るべきだったのでは」と、 あとから悩むことがあるかもしれません。

だからこそ、直葬を望むなら、その理由まで 書き残しておくことが大切です。 「家族に無理をさせたくない」「形式よりも、生きているうちに会いに来てほしい」。 本人の言葉が残っていれば、家族はその意志を尊重しやすくなります。

Lifulo のアプリでは、「葬儀・お墓」のテーマに次のような書くヒントを用意しています。

  • 葬儀の形式についての希望
  • 家族に、後悔してほしくないポイント

7. まとめ

  • 直葬(火葬式)は、通夜や告別式を行わず火葬だけで見送るかたち。2026年の全国調査では 10.8% が選んでいる
  • 葬儀社への支払いの中央値は約 50 万円(お布施は別)
  • 死亡後 24 時間は火葬できないため、安置が必要。火葬までの日数で費用が変わる
  • 火葬料は公営と民営、住民かどうかで大きく違う(東京 23 区では 44,000〜88,000 円の例)
  • 菩提寺がある場合は、納骨を断られないよう事前に相談しておく
  • 本人が直葬を望むなら、その理由を書き残しておくと、家族が迷いにくくなる

関連する Lifulo の記事

About Lifulo

あなた自身の記録を、始めてみませんか?

家族に残したいこと、伝えたいこと。
書きたい時に書ける、更新もできる、新しいかたちのノート『Lifulo(ライフロ)』。

Lifulo を無料ではじめる→

参考・データ出典